DISCORD

デビュー作から4年の期間を経て、Madagascar Recordsからリリースされたセカンドアルバム。
前作同様にスロウコア的な作風は維持されているが、いなたいロック色がより強くなっている。大きく変化したのはドラムの音で、アルバム冒頭のチープな(僕の持っているYAMAHAのQY10でも再現できそうな……)ビートトラックに面食らったリスナーも多いのではないか。しかし、聴いていくうちにそれがニューウェイヴ的にも感じられ、噛んでいくに従って味が出てくる。
他にもホワイトノイズが効果的に用いられていて、高校の先輩後輩繋がりでアルバムに参加したという類家心平tpが絡んだ曲は、それが特にハマっている成功例だろう。
1曲ごとに様々なアプローチがなされ、独創性が高まった意欲作だといえる。中には前作の作風を引きずっている曲もあり、きっと変化の最中だったのだと思われるが、このアルバムを残して無期限の活動休止。実質的な引退状態になってしまうのだった。本当に残念。