After Lights

もはや弘前ロックシーンにおける重鎮バンドとなったCreepsが、新メンバー1名を加えて発表した5年ぶり4枚目のアルバム。
前作『カンテラ』でを大きく変化させた音楽性を深化させた一枚。どの曲もバンドサウンドで貫かれており、ヴォーカルも演奏も、抒情漂う曲想を丁寧に伝えようと終始落ち着いたトーンで行われている。曲調も、様々なミュージシャンから受けた影響を自分のものにした感がある。
アルバムの構成としても、アップテンポ、ミディアムテンポの楽曲が適所に配置されていて、バランスが良い。唯一、ライヴ録音の7曲目だけ空気が変わってしまうが、何らかの意図があってのことなのだろう。全体を通して、Creeps等身大の、透明感のある清廉な魅力が伝わってくる。
前作から個人的に感じられた課題が解消され、アルバムジャケットの色合い同様に、瑞々しさを感じさせる良作だ。