輝ける日常

青森県在住のシンガーソングライターふきたが、かつて東京を拠点に活動していたバンドを再集結させ、ほぼ一発録りでレコーディングした8曲入りフルアルバム。
不協和音気味なエレクトリックギターとがなるヴォーカル。そこにドラムとベース、ピアノなどが、時にはカオティックに、時には落ち着いたトーンで献身的に支えるというバンドアンサンブル。
カテゴリーとしてはオルタナティヴ・ロックに位置づけられるだろうが、根底にあるのはフォークの抒情である。どの曲からも荒々しさと寂寥感が混在する、表裏一体な男の世界を感じさせる。それはある部分、1曲ごとに違った表情を見せるような器用さには欠けるとも言えなくもないが、起伏のあるメロディの豊かさがそれを補って余りある。そんな歌心を感じる力作である。