The Milky Way

ヨーコトリヤベが2008年から2015年にかけて断片的に発表してきた楽曲をコンパイルし、自主レーベル・アルファオメガレコーズからライヴ会場及びネット配信限定で発表したセレクションアルバム。
楽曲の多くはクラブミュージックに接近したテクノ/エレクトロ寄りのアレンジが施されているが、丸みのあるシンセの音色には愛嬌があり、どこかファニーなポップ性が随所に見え隠れする。
また、そのような楽曲の中にあっても、明確な歌メロが存在していたり、でなければボイスサンプルが効果的に用いられていたりと、シンガーとしてのアイデンティティが一貫して守られていて、その結果クラブミュージックからもポップスからも微妙にはみ出しているような、逆に言えば双方の音楽を包括するような、境界線上のポップ・ミュージックになっている。
過去音源を放出した作品集という位置付けではあるが「宇宙」というコンセプトでまとめられた楽曲には統一感がある。8曲入り41分というフルアルバムサイズのボリュームで1000円(会場価格)はとてもお得。個人的には、この他にもまだリリースに至っていない楽曲がいくつか存在しているはずなので、未発表音源集の第2弾リリースも望みたい。