BOOTLEG I EX VIDEO EP

青森テクノシーンの中心人物たちが集結したスーパーユニット極東ロックによる初のリリース音源。あえて「BOOTLEG I」と題された4曲入りのCDR。これをシリーズ化していずれはプレス盤を……という野心を感じさせるタイトルだ。
以前配布されたプロモ盤と比較すると、方向性がテクノ歌謡路線に強化された感があり、表題曲“EX VIDEO”などは約5分半の中に様々なキメが用意されたド派手な展開をもつ楽曲になっている。とはいえ、2曲目の“毒松茸”リミックス版も含め、アシッド調のビヨビヨ音が効果的に用いられていて、クラブミュージック的な刺激も保たれている。
収録曲はすべてDOKDOK総裁による作詞作曲。説法で存分に発揮される教祖としての言語感覚が、歌詞という形になるとややありきたりな表現になるのが個人的には気になるが、「Hな0930」「天然むすめ」「ポルチオ開発」などの名詞のチョイスは超ツボで、さすが総裁と思わされる。
また、4曲それぞれバラエティーなリズムが味わえて聴いていて飽きないものの、総裁の狂信的信者(?)というキャラ設定上のためか、他のメンバー4人の個性がまだ音源では判別できない。折角のスーパーユニットなのだから、徐々にフィーチャーされてほしいところだ。