ポップコーン・ガンマン

青森市を中心に活動するロックバンド、コスモスによるスタジオ・ライヴ・アルバム。空間実験室にて催された、3日間以内に公開音源制作を行うという企画のもと完成されたという。
コスモス名義として公に入手できるものとしては3作目で、楽曲自体は1〜2作目から選曲されたもの。しかし、音のバランスの悪さが残念な過去作と比べて、本作の方が楽曲及びバンドの魅力を正確に伝えているのではないか。様々な制約の中で作られた作品ではあるものの、結果的にはこれこそがコスモスの代表作と言って差し支えないだろう。
アコースティック楽器によるアンサンブルの、クリアーな音色がとても心地好い。ヴォーカル千葉氏とギター中畑氏体制で作られた楽曲が、本作よりアコーディオン、ギターで加入している工藤洋岳氏の味付けによってエキゾチックな空気感を身に纏い、独特なスタイルを身に付けたといえる。特にフラメンコ調の“宇宙空間”、ジプシー音楽ライクな“ペル名”は絶品で、今もライヴの定番曲である。