ヤーヤドー

2005年5月に発売された3曲入りシングルに、ほぼ無編集なライヴ音源を中心としたシークレットトラック5曲を加えた再発CD。後半5曲についてはファンならお得といったオマケ程度のものなので、前半3曲に絞って取り上げてみる。
リードトラック“ヤーヤドー”はその名の通り、ねぷた囃子が後半にフィーチャーされる、ありがちな気合一発民謡ロックものだが、楽曲自体に土着的なグルーヴが沸々と渦巻いているため、囃子や津軽三味線の取り入れ方が自然に感じられる。
カップリングは一転して、陰鬱さをベースとした津軽人の別の側面が浮き彫りになる。個人的には工藤洋岳(コスモス)によるアコーディオンが冴えまくる“笑い者”が耳を引くが、アコギ一本で切々と弾き語る“夏の匂い”で明らかになる女々しいまでの純朴さが、恐らくはシンガーソングライターふきたの本質であろう(と作風から勝手に予想する)。